4人の天使
先日十三回忌を迎えられた方が法要を申し込まれた時、この方が亡くなられる直前の十日間にお釈迦様が説かれた4人の天使に出会う事が出来た事を思い出しました。4人の天使とは「生老病死」の方々です。まず第一に「生」、人間はこの世に生まれて生き抜かなければなりません。平成9年5月15日午後5時15分に初孫が誕生しました。赤ちゃんは本当に天使の様で何時間見ていてもあきませんね。赤ちゃんの顔を見ていると、この子はどんな生き方をするのだろうか?と思います。
第二に「老」、八尾で90才の朗らかなおばあさんとお話をして、明るく元気に年を重ねたいなあと思い、その方と握手をすると大変喜んでくれました。日頃は年を忘れている私も日々年老いているのだと自覚しました。特に若い方は老人を厄介者扱いする人がいますが、若者も確実に日々老人に向かっているのです。
第三に「病」です。ガンと闘っている方のお見舞いに行きました。その方に「今一番の不安は何ですか?」とお聞きすると「死に直面して不安は一つです。本当にあの世の御神仏は存在しているのか?自分が死んで迎え入れてくれる場所はあるのか?これだけです。もう死ぬ事は恐くない」それを聞いて、しっかりとあの世の存在と、引導の大切さを説き、聖法院が引導を渡すから心配は要らないと話すと、心から喜ぶ顔を見る事が出来ました。先日も医者に「覚悟をするように」と言われた方のお見舞いに行きましたが、その方の不安も同じでした。本人が死を覚悟しておられるので、私も曖昧な話ではなく真実を説く事が出来ました。しかし、死に直面した時にただ助けて下さい、と懇願している方達にはあの世の話はタブーですが、死への現実を受け止めて精神的に落ち着いている方には、はっきりと隠さず話す事が大事だと痛感しました。あるお寺の住職に尋ねたら「わしゃそんな事知らん。あの世に行って帰った人は居ないので判らん」と聞かされた時はドンドン不安がつのったそうです。
第四の「死」の天使は、今年5月19日に13回忌を迎えられる信者の方がお亡くなりになられた時、お葬式をさせて頂きました。お釈迦様が説かれた「生・老・病・死」という一生の間に出会う者達が天使、つまり仏様のお使いです。何故その方々が天使なのか?特に自分が元気な時や若い時は、病人や老人、まして死者に関しては特に他人事ですが、必ずやって来るその時を、しっかり受け止めて落ち着いた人生の最期を送りなさい、とお釈迦様が説かれています。人間は生も死も本当に神秘的なものだな、と感じました。そして人は輪廻している事も孫が産まれる時に実感した、とても不思議な体験がありました。それは、またゴマの日にでもお話し致します。 合掌