全ての基本は和合(2024年4月)

 人生を楽しく暮らすには人間関係が大事と言われ続けていますが、和合については聖徳太子の時代から憲法17条で『和をもって尊しと為す』と言われています。個人個人をお互い認め合いながら、どの様に和を作っていくかが大事です。和によって信(信頼、信用等)義(義理、忠義等)が生まれます。和の基本は全て相手に合わし、イエスマンに成る事ではありません。例えば煮物を作る時、人参、大根、ゴボウ、ジャガイモ等の食材と調味料があり、それを煮込むと、個性的な食材はその味を活かしながら、一つの料理として融合した新しい味が出来上がります。音楽も同じです。オーケストラで色々な楽器が独自の音を奏でます。いくら有名なピアニストが弾いたとしても、ピアノだけが強調されても良い音楽とは言えません。様々な楽器音の調和によって、すばらしい音楽が出来るのです。この様に料理も音楽も個性はあっても、同化せずお互いのハーモニーが要求されます。それらが出来上がる過程を和と言います。何事も作る過程で和がなければ、決して良い物は出来ません。儒学者が『和は同であってはならない』と固く戒めています。日本人の多くが、大切な事柄でも物事の本質を追求しようとせず、争いたくないと思う、事なかれ主義が和を同にしてしまったのです。和が同だと個性が消えてしまうので、真の和は出来ません。そればかりではなく、後に必ず何らかの心のひずみが出てきます。大国主命は国造りという仕事には、学問や技術も大事だけれど、心の働きはもっと大切である事に気付いたのです。人間同士も自分の持っている、良い人間性や個性を活かし合い共鳴を起こし、良きハーモニーが生まれた時は、和によって自分も周囲も心地良くさせ、幸福をもたらせます。いくら信仰心をもっていても、和合が保たれなければ、信仰をしている事にはなりません。和合は如何に大切な事かを知る事です。合掌