豊かな心

 後1ケ月足らずで今年も終わります。移り変わりが激しい世の中で、人々の心もすさんでいきます。現代の人々は物質が豊かになりましたが、心は非常に貧しい人が多い。精神的な豊かさは何処から生れるのか?

 それは日々御神仏を礼拝し、先祖を供養し他人を拝む。それらの心から感謝が生まれ、真の心の豊かさが生れるのです。日本の三大文豪といわれている芥川龍之介、三島由紀夫、川端康成の彼らは、大変人の心に訴える文章を残しています。しかし三人とも自殺を遂げている。

 どんなに天才であってもこの世の中を生きて行くには、苦しくて辛い時がある。まして天才でもなく普通に暮らしている私達は、苦しみや悩みがあって当然と言えるかもしれません。それらを乗り越えていくには、真の心の豊かさを養う事が、如何に大切かが判ります。経済的な苦しみから心が貧しくなる、と考えている人も多いのですが、一理はあるとしても、この三人の文豪を見ても判る様に、この人達は決して貧乏ではなかったのです。共通している事は、三人とも他人から頭を下げられる事があっても、自分が他人に対して頭を下げる事が余りなかったからです。この三人の家には仏壇も神棚もなく、礼拝する事を知らなかった為、人生の最後に自殺を選ぶ考えになったのでしょう。神仏を信じ、霊界を信じると、自分で命を絶つ考えにはならなかったと思います。

 不満の意識や悩みの心の中和剤は感謝の心です。心が豊かになると言う事は、精神面の御利益を頂いている事になります。この精神の御利益が実現されると共に、物質的な御利益は後から自然に、しかも必要に応じて顕れて来るものです。例えぎりぎりの生活でも、豊かな心で暮らしたいものです。

合掌