回向
一般的に先祖供養の事を回向すると言いますが、字の如く回して向ける。何を回すのか?何処へ向けるのか?回向には2つの意味があります。
一つ生者に対し、自分の努力で得た善根功徳を他人の為に振り向ける事。もう一つは死者に対して自分の功徳を施し、死後の安穏を願う事。それらの回向の積み重ねが、幸福の量と比例する、と言われています。しかし人間は片手落ちの回向が多い。先祖にはするけれど他人には余りしない。例え片手落ちでも、それに見合った功徳は頂けます。
ある相談者に娘が三人居て、誰も結婚出来ない。いくら見合いしても、まとまらないと相談に来られた。霊視の結果、墓が北向きでこれは絶家因縁を表します。それを直しただけで長女の結婚が決まりました。他人を墓に入れている、と答えると相談者はそんな人は居ないと突っぱねました。所が後日、墓の中を調べると骨の代わりに、他人の名前を書いた板塔婆を入れていたのです。
ここで言う他人とは兄弟、姉妹でも苗字が変わると、他人扱いになるので注意しましょう。血縁とは関係ありません。例えば夫婦でも戸籍に入らず、苗字が違うと入れてはいけないのです。
墓から出して下さい、数日して出したその日から、家族皆が身体が痛くなった、と不服を言って来ました。どんな出し方をしたのですかと聞くと、近所のお寺さんに話すと、そんな事は迷信だと言われ、そんなに気になるのだったら、とそのお寺さんはその板塔婆をハサミで半分に切ってしまったそうです。刃物を入れたその日から家族全員が腹痛や頭痛に悩まされたそうです。これが迷信でない証拠です。その無礼に対し謝って、正しく墓に念入れをし直しました。仏壇もお墓もいい加減な念入れや念抜きは恐いものです。その後2人の娘さんも結婚が決まったそうです。
この世とあの世は、肉眼で見えないだけで全て続いているのです。見えたり聞こえたりしないからと、なんでも迷信で片づけない事です。この世は見えない事の方が多いのです。この様に回向と言うと、先祖供養だけではないと言う事が解ります。正しくは他人様に対しても、何らかの形で助ける事も大事な回向となります。
合掌