取と捨の心

今年もご神仏のご守護と、信者の皆様方にご協力頂き、無事に春の大祭を迎えられた事を心から感謝致します。

この日をご先祖様は、とても楽しみにしています。特にいつも食にありつけない、絶家のご先祖様や、有縁無縁の方々がこの日を心待ちにしています。もう一人、春季大祭を楽しみにしている人達がいます。それは皆様方の守護霊様です。特に4月の大祭は、鳴動と施食会の2つの行事で功徳を頂けます。月々の鳴動式やゴマ供養、年5回の大祭は、守護霊様にとって何よりの修行の場所になります。守護霊様は、皆様方がお参りしないと修行出来ません。いくら修行したいと思っても、勝手に出来ないのです。この世に生まれ変わる直前の最後の修行になりますので、皆様を信じてあの世から付いて来たので、裏切らない様にして上げて下さい。日々の修行によって、輪廻転生後の人生や環境が変わります。守護霊様を幸せにするか否かは、皆様の行動によると言っても過言ではありません。

4月8日はお釈迦様の生誕(せいたん)された日です。お釈迦様の場合は誕生とは言いません。お祝いに甘茶を掛けてお参りして下さい。以前、お釈迦様から頂いた言葉があります。

『人生は万華鏡の中に居るに似通っている。自分の気に入った色で染められる時もあれば、暗黒の時もある。その色が気に入らないからと逃げる事は、自分に与えられた修行、つまり苦から逃げるのも同じである。苦から逃げると永遠に苦しみの中から逃れる事は出来ない。むしろ積極的に自ら苦を取り込み、早く脱出する方法を考える方が得策である。苦に出遭ったら苦を掴(つか)め。これが、若い時の苦労は買ってでもせよ、と言われる所以(ゆえん)である。信仰は奇跡を起こすものではなく、現状をそのまま肯定する心を養う。大忍(だいにん)を大船(おおぶね)としこれをもって苦難を渡るべし。本当に人間らしく生きたいのならば、勇気を持って捨(しゃ)の心に徹せよ。取(しゅ)の心は捨の心の100分の1でも良い。真の勇気を持て。この世の幻の品々に心躍らせるな。』

人生は苦労がつきものです。

苦がないのは自分自身の修行の程度が低いとも言えます。ここで説かれている様に、苦から逃げない事が大事です。必ず消耗してしまう品々に執着せず、欲しい物にいつまでもこだわらず忘れ去る事、捨てる勇気が大切です。お釈迦様の教えをしっかり取り入れ、教えに少しでも近付ける自分になる努力を致しましょう。

合掌