六文銭

 今月はご先祖様が楽しみにしているお盆月です。ある信者さんのお友達のご主人が亡くなったので、何か供養になる品物をしたいと言われ、六文銭を勧めました。早速買われたのですが、お棺の中に入れる時に、フッと思ったそうです。この六文銭、本当にあの世に通じるのだろうか?と思いながら入れたそうです。するとご主人の初七日に、六文銭を入れた人にきっちり夢を見せてくれたそうです。長野県の善光寺に行くと、隣に歩いている人も見えない位、真っ暗な部屋がありますが、その夢もそんな暗闇の所をご主人が行っていました。ところが天井の節穴のような所がポコンと開いて、そこからス~ッと光が差し込み、そのご主人の行く先を照らし、そこにお地蔵様が出て来られて、丁寧にご主人を導いてくれたそうです。疑いながらお棺に入れたけど、私のあげた六文銭が霊界で通じたことが本当に嬉しかったし、今後自信をもって渡せます、と言われました。六文銭を入れた方は、入れる時に本当に通用するのかと思いながら入れたので、亡くなられた友人のご主人が感謝の気持ちで、私に教えてくれたのだと思います、と大変喜ばれて話されました。私もそれを聞いて六文銭に、念を丁寧に入れた甲斐があったと本当に嬉しかったです。この様にあの世とこの世は通じています。

 喪明けは四十九日過ぎたら満中陰になり喪が明けます。年忌の忌の意味は汚れではなく、「避ける」の意味です。これは日本古来の習わしであり、仏教の伝来と共に始まり、聖徳太子が701年、日本で一番古い法律書である「大宝律令」に四十九日間までの7つのご法度を制定されました。『酒飲まず、肉食わず、弔いせず、賀せず、嫁取らず、財産分けせず、神参らず』 以上四十九日が過ぎないと、ご先祖様の仲間入りが出来ません。四十九日間は死者に感謝し、悲しみの情、辛さや寂しさを克服し、無常を知る期間です。昨日と今日は眼に見えなくても、刻々と全ての物事が、移り変わって行く現実をしっかり見据えて、再確認する為の時間でもあります。卒哭(そっこく)と言い四十九日が過ぎると、仏壇の前で泣いたり、愚痴を言ったりするのはタブーです。後はしっかりと日々供養をすることです。仏壇で決してお願い事をしてはいけません。合掌