お盆と地獄

 今月はお盆月です。仏壇のある家では8月12日夜中から13日の早朝に掛けて、御先祖様を必ずお迎えして下さい。そして15日の送り火の時に仏壇の前で、「聖法院に今から行きますよ。あの世の正しい場所に送って頂きましょうね。」とお声を掛けて一緒にお連れして下さい。皆様には見えなくても戒名をお呼びしたら必ずご先祖様が来られます。仏壇のない家でお呼びすると本尊様が居られないので、あの世に帰る事が出来ません。その上、いつまでも先祖霊が家に居る事になり成仏の妨げにもなります。

 ある家族がおばあちゃんの特別供養のお参りを3歳のお子さんと一緒にされた時、戒名を呼んで読経が始まると突然その子が手を振り出したのです。お母さん達は「何をしているの?」とびっくりしていましたが、私にはそこにおばあちゃんが来られているのが見えましたので、「一生懸命おばあちゃんに手を振っているのだな」と分かりました。子供の時は皆さんも見えていたのですが、段々と魂が汚れて行き、疑いの心が湧いてきて「そんなの見える訳がない」と否定的な心が人間の能力を抑え込んでいるのです。しかし現に戒名を呼んで直ぐにその子が手を振って笑ったと言う事は、戒名を呼んだらあの世からおばあちゃんが来た証拠ではないでしょうか。御先祖様に正しい戒名がついていない方が居られる場合は、ぜひ戒名をつけて上げて下さい。それが先祖様の無上の喜びとなり、戒名をつける事があなた方子孫の役目の一つです。

 お盆と言えば地獄の釜の蓋も開くと言われますが、私には忘れられない光景があります。30年ぐらい前、夜中の修法をしている途中にお大師様に地獄へ連れて行って頂いたことがあります。その時の一つに噴火している火山の様な所を上から見てみると大勢の人が裸で腰から上だけが硫黄が燃えるように赤や青や緑色の炎に包まれながら走り回っていました。これこそ地獄絵図だなと思いました。「これは何でしょうか?」とお大師様にお尋ねすると、「全ての人間は煩悩を持ちながら死んで行く。あの世へ行っても自分の残したお金は誰が使ったのだろうか?自分名義の土地はどうなったのだろうか?百年、二百年経ってもまだ煩悩が取り切れない人は、そこで煩悩を全部燃やしてしまうのだ」とおっしゃいました。

 しばらくその人たちを見ていると、その中から突然綺麗な女性がスッキリした顔をして上を向きました。すると、その女性の上に船の様な物が静かに音もなく降りてきて、そこからハシゴが下ろされ、女性がひらりとそこに跳び乗ったのです。その女性は煩悩を全て燃やし切り、とても綺麗な身体になったので、その船に乗る事が出来たのです。その船は三度室という部屋へ行きました。三度室では一度目は死んであの世に行くと、大きなスクリーンに一生の行いが映し出されます。二度目は次の段階へ上がる時に、自分の煩悩の有無を確認する為の部屋です。ちなみにこの女性はこの部屋に連れて来られました。三度目はあの世からこの世へ生まれ変わる時に、どの様な人生が良いかを三種の中から選ばせて頂けます。しかし、その人の修行や業、因縁などで選べる範囲が変わり、全ての業や因縁を取り去る事が出来ていれば、全ての中から自由に選べますが、自分に因縁があって生まれ変わらなければならない人は、提示された三種から選ぶのです。お大師様は「この部屋には、二度しか来られない人が多い」とおっしゃいました。何故かと言えば地獄に落ちて、人間に生まれ変わる事が出来ない人が多いからです。この様に私達はとても苦しい思いをして、選ばれてようやく人間に生まれ変わったのです。そして聖法院に御縁があると言う事は、とても素晴らしい事なのです。自分が今、人間として生を受けていると言う事だけでも、充分幸せに値するものだと実感して下さい。 合掌