考えの違い
今日は母の日です。母の日と言えばカーネーションの花ですね。地中海沿岸が原産とされ、日本には江戸時代に伝わりましたが、母の日の花として広く親しまれるようになったのは昭和の頃からだそうです。花言葉は「無垢で深い愛」。赤いカーネーションは母への愛情、ピンクは感謝の気持ちを表すと言われています。
日頃、お母さんへの感謝の気持ちは、近しい存在であるほど、なかなか言葉にして伝える機会が少ないものです。だからこそ、母の日という日が設けられ、多くの人が改めて感謝を伝えるのでしょう。お母さん方にとっては「花より団子」という方もおられるかもしれませんが、それでも感謝の言葉をもらうことは、何より嬉しいものではないでしょうか。また、5月5日は子どもの日でもありました。子どもが小さい頃には、絵本や昔話を読み聞かせた思い出のある方も多いと思います。
「所変われば品変わる」と言いますが、同じおとぎ話でも、国や文化によって受け止め方が違うことがあります。皆様もよくご存じの「ウサギと亀」の物語も、その一つです。足の速いウサギが、歩みの遅い亀をからかい、競争を挑みます。しかし、余裕のあるウサギは途中で昼寝をしてしまい、その間も休まず歩き続けた亀が先にゴールへ辿り着く。日本ではよく知られたお話です。日本では、「自信があっても油断してはいけない」「地道な努力を続けることが大切だ」という教訓として受け止める人が多いでしょう。ところが、ある国では違った考え方をするそうです。例えばインドでは、「亀は、眠っているウサギの横を通る時に声を掛けて起こしてあげるべきだった」という見方があるそうです。そして、正々堂々と競争し、そのうえで負けたなら、自分の足の遅さを認め、相手の優れたところを尊重し、自分も努力を重ねるべきだ、と考えるそうです。また、ペルシア地方には、少し違った話もあるそうです。亀は自分によく似た弟を先にゴールに立たせておき、まるで自分が先に着いたかのように見せた。つまり知恵を働かせて勝利した、というお話です。そこでは「困難な状況でも工夫を凝らして生き抜く知恵」が評価されているのだそうです。どの考え方が正しい、間違っているということではなく、その背景には、それぞれの国や地域が大切にしてきた価値観が表れているのでしょう。
日本では、努力や忍耐を大切にする一方で、時に勝ち負けを強く意識し過ぎてしまうこともあります。現代社会では競争の機会も多く、子どもたちも知らず知らずのうちに、その中で育っています。だからこそ、競争することの大切さだけではなく、「相手を思いやる心」や「人と共に生きる心」を、大人が子どもたちへ伝えていくことが大切なのではないでしょうか。子どもたちは、社会の宝です。他人事ではなく、私たち一人ひとりが温かく見守り、育てていくことが、これからの穏やかで住みやすい社会につながっていくのだと思います。
合掌