「貧、瞋、痴、慢、疑、見」

初法会にて

 新年明けましておめでとうございます。昨年は色々と御協力頂きまして誠にありがとうございます。本年も何卒よろしくお願い致します。毎年聖法院では大晦日から元旦にかけまして皆様と共に除夜の鐘を打たせて頂き、引き続き今年の無事を祈って初法会が始まります。鐘を人間の煩悩の数である108回打ちます。私達の煩悩は108もあるのですか?とよく聞かれますが、煩悩とは一体何なのでしょうか?

 三毒と言われる貧(とん)むさぼり、瞋(じん)怒り、痴(ち)愚かな心、それに慢(まん)自分が思い上がる心、疑(ぎ)人を疑う心、見(けん)正しく物事を見る事が出来ない心、以上の貧、瞋、痴、慢、疑、見の6種類の煩悩を私達が日常唱えている般若心経の中に書かれてある眼(げん)耳(に)鼻(び)舌(ぜつ)身(しん)意(に)の六根それぞれに6種類の煩悩を当てはめます。

6×6=36、つまり36の煩悩が生じる事になります。生じた36に現在、過去、未来の3を掛けます。36×3=108となります。お正月早々からなんだか算数の勉強みたいになりましたが、煩悩の数はこうして数えられています。どんな人達も違いはありますが、全員煩悩は持っています。その深さによってそれぞれの因縁が決まります。従って年に一度はそれを反省して除夜の鐘に託して煩悩を少しでも減らす努力をする事が大切です。

 今年も悩みや苦しみの時はもちろんの事、楽しい時や嬉しい時にもぜひ聖法院へお参りして下さい。心の故郷として今年もよろしくお願い致します。
寒い中お参り有難うございました。

初護摩にて

「見返り」 不動明王様 
「信仰は見返りを求めるものではない。何故ならばそれは不純な信仰心に通ずる。」見返りを求める前にまずやるべき事がある。今迄神仏の加護に気付かずに、今日まで過ごした事を懺悔し、心から感謝する事。日々の懺悔と感謝を積み重ねると同時に、功徳を積む努力をする事。その結果神仏が判断し、その人間に光明を与える。

 次に人間の一生はマイナスから始まる事を自覚せよ。マイナスの深さはまちまちであるが、まずはマイナスからゼロになる様に日々努力せよ。

 これが不動明王様からのお言葉です。人生のスタートがマイナスからであり、信仰は見返りをもらうためにするものではない事を意識して、これから過ごして頂きたいと思います。 合掌