太陽と月

 子供の世界ではいじめが無くならず、悩み苦しむ日々を過ごしている子供達も多く、悲しい結末を迎える事も多々あります。いじめは子供達だけに留まらず、大人の世界でも見受けられます。

 ある女性が40年間市役所に勤めておられて、「上司にいつもいじめられて辛いので、仕事を辞めたい。」と再三相談に来られていたのですが、その時の御神仏のお答えは、『必ず神仏は見て居ます。今あなたは辛抱する時だから、黙って耐え忍びなさい。必ず心安らぐ良い日が来ますよ。』とおっしゃいました。「余り気にせず定年まで頑張る様に」といつも答えて居ました。
 その後頑張って46年間勤めて定年を無事に迎える事が出来た、ある日お参りに来られて「神様が仰せの通り、良い事がありました」と言われました。退職後、上司に誘われてお茶を飲みに行ったそうです。そこでその上司は色々なプレゼントをくれて、「私はあなたを凄くいじめていたでしょ。貴女は中卒でお茶汲みとコピーや電話の受け答えしかしない。私は大学を出て課長にもなったのに、貴女は私よりも何故高いお給料を貰っているのか、と腹が立ち、ついイライラといじめたくなった。でも貴女が辞めて今はお茶やコピーを頼もうと思っても誰も居なくて、貴女が居てくれたから自分の仕事がはかどったのだと気付き、貴女にお礼が言いたかった」と言われたそうです。数十年いじめ続けられた彼女は、その一言で喜びが湧いてきて、今までの恨みが吹き飛んだそうです。「やっぱり神様は見て居られました。」と喜んで居られました。

 私達もそうですが、周りに感謝しなければいけない物事は沢山あるのに、それを忘れている気がします。
 ある方の特別供養をした時のメッセージで『人間と御神仏の関係は太陽と月の関係と同じです。御神仏が太陽で人間が月であり、月は自分で輝く事は出来ません。太陽が月に光を投げかけて初めて月が輝くので、人間はいつも誰かに力になって貰い、御神仏から見守って頂いて、自分が輝いているのだ、と言う事実を忘れているのです。霊界へ帰ってからこの世を見てみると、成功した人は「自分が頑張ったのだ。」と言い、苦労した人は「どうして私はこんなに不幸な目に遭わなければいけないのか。神も仏もあるものか。」と不満を言う。しかしいつも輝いて居られるのは御神仏のお蔭ですよ。』とメッセージがありました。御神仏は『人間は思い通りに行っている時は、自分の努力だと周りに感謝する事を忘れているが、この世に生きていること事態に感謝せよ』と説かれました。
 いじめられた彼女も「あの時、仕事を辞めていたら、上司を恨んだままその後の人生を暮す事になったと思います。頑張って本当に良かった」とご神仏に感謝していました。退職後ヨーロッパ旅行が当たって、生まれて初めて海外旅行へ行かれたそうです。感謝の心を持つと、色々な良い事が次から次へと出て来て、それと同時に小さい事にまで有難うと言える様になるのです。今は庭の花を見ても綺麗だなと感謝出来る様になったそうです。「ただ一つ私は負けず嫌いなので、NHKの通信講座で高校を卒業しました。中学出の私は、人間の価値もない、とまで上司に言われたのです。でも私は与えられた仕事を途中で辞めなくて良かった。」と話されました。

 子供同士のいじめも発想の転換をする事で随分精神的に楽になります。以前にも話しましたが、登校拒否の理由が、自分の太った体型をからかわれて、毎朝登校の度に「臭い豚が来た」とはやし立てられたのが理由でした。御神仏は一度だけ勇気を出して登校したら、出来るだけ明るい大きな声で「おはよう、臭い豚が来ましたよ」と言いなさい、とのお答えを頂き、その通りにするとその日からいじめは無くなったそうです。
 またある子供はいじめられ、友達が一人も居なくて淋しい思いをしましたが、お大師様がそれは良かった。友と遊ぶ時間を勉学に励め、と言われそれを実行した結果、立派な社会人に成長しました。いじめっ子は相手が泣いたり悩んだりするのが面白いのです。いじめに負けず、その苦労を活かして、愚痴を言わずに頑張ると、必ず心が安らぐ時が来ます。

合掌