力量

 私達は若者も老人も平等に生きがいを求め、幸せを願っています。人間関係が上手く行くと生きがいも幸せも感じる事が多いのです。生きがいや幸せを感じる度合いは人によって様々で形は決まっていません。他人の持っている力量を高く評価して上げると、その人は生きがいを感じるでしょうし、自分もほめてもらうと幸せを感じるものです。

 能力と力量は違います。力量=健康×人格×能力です。これは掛け算でないと成立しません。健康、人格、能力どれかがゼロでも力量はゼロになります。例えば結婚する相手を見つける時、結婚する前は美しいとか格好が良いとか、相手が持っている表面の能力しか見ていない場合が多く、お互い結婚すると相手の力量を見てしまい、その結果、離婚になる場合が多いのです。

 弘法大師様は人間の力量の上げ方を説かれています。人間は皆平等に財産を持っています。その財産をどの様に投資するかによって自分の力量が高く評価される様になります。平等に持っている財産とは何か?それは身(身体を表す)、口(言葉を表す)、意(心を表す)の三密です。

 身として『無病第一の利』の言葉の如く健康第一です。どんなにお金があっても健康でなければ財力を活かす事が出来ません。大事な人間関係も保つ事が困難です。それは元気のない人は、笑顔が少ないし会話も暗く弾まない人が多いからです。すると自然と交際が途切れてしまいます。それを考えると健康が一番大事です。

 口として『知足第一の富』愚痴や不平不満を言わず、ありがとう、すみませんの感謝を表す言葉を自然に使いこなす事が大事です。家族に対しても他人に対しても同じ事が言えます。人権は誰にでも平等に与えられていますが、人格は高い人と低い人がいます。それは自分自身で造り上げて行くものです。基本的にありがとう、すみません等の言葉が自然に出ない人、常に不平不満の愚痴で生活している人、他人から見て普通の生活が出来ていても、それに対して感謝の心を持てない人、満たされている事が解っていない人、この人達が人格の低い人と言えます。
 意として『菩提第一の楽』菩提心とは思いやりの心です。愛と思いやりは違います。思いやり=愛+相手への理解です。理解は相手を知り、相手の役に立とうと愛情を注ぐ事です。例えば急に雨が降り出した時、傘を貸して上げるのは愛、荷物を持っている人に外に出て傘を広げて渡すのが思いやりです。この様な行為の積み重ねが力量を持つ事になり、人間関係をスムースにし、人生を楽しくさせてくれます。力量を上げる事で仕事の運気も高まります。その結果、幸せや生きがいを感じる人間になれるのです。これらすべてお金ではなく身口意を投資する行為です。自分が持っている財産を惜しみなく投資して力量のある人間を目指しましょう。それが生きがいのある人生を送る事が出来るのです。合掌