あの世との繋がり

 最近二十代の若い人がたくさん御四国参りに行かれている様ですが、何故行くのかと言うと、自分が社会人としてしたい事が判らない、そんな自分を見つめたいからだそうです。私も順打ちと逆打ち(八十八番から逆に回る)を廻りましたが、私はいつも皆さんと御真言や般若心経を唱えている時に、ご神仏から御法話を頂きます。

 例えば六十二番の十一面観音様が、「何の為に人間は生きているのかと言うと、煩悩を一つずつ減らして悪因縁を減らして行く為だが、煩悩は五感によって生まれて来ると言われているが、五感(目、耳、鼻、口、手)が全部それぞれの働きが出来なくなった時、煩悩は消え去るのか?」と聞かれました。その時、私は答えに困ったのですが、帰ってからゆっくりと考えてみましたら、五感によって煩悩は生まれやすいが、五感が全部無くなった後(肉体が無くなった後)に煩悩は生まれないのか、全てが消滅するのかをずっと考えていた時に、ある人の話を思い出しました。

 その方が初めて来られた時に、「最近病気や事故ばかりする。何か毎日が不安でたまらないのです。病院で全て調べてもどこも悪くないのですが、どうしてでしょうか?」と相談されました。霊視をするとその方のすぐ後ろに男の方が立っていて、とても怖い顔をして「金返せ!」と言っているのです。「亡くなられた方で、あなたが借金をしている人はいないですか、男の人ですが」と聞くとびっくりされて、「あるお爺ちゃんに数百万円借りたのです。返済期限が三年後だったのですが、その期限が来る前に亡くなられたのです。親戚の人を探したのですが身寄りが無い人だったので、ちょっと儲けたかなと思いながら放ってあったのです」と言われました。その時、十一面観音様がおっしゃったのはこれだと思いました。肉体を焼いてあの世へ帰ったのに、「金を返せ」と言う煩悩は残っているのです。「金を返せと言われても、何処へ返すのですか?」と聞かれたので、「この方やこの方の御先祖様の永代供養をするなり、そのお金が無くなるまで供養をしてあげて下さい」と伝えたのですが、どうして居られるのか、それっきり来られていません。放置すると必ず借金した以上のお金を何らかの形で失う事になります。

 先日先祖供養をされた方で女性の御先祖様だったのですが、「何か御希望はございませんか?」とお聞きしましたら、「何も希望は無いけれども、ここの主人は暇さえあれば小説を読んでいる。そんなに面白いのなら一度、仏壇にお供えしてくれないだろうか?」と言われました。本をお供えして欲しいなんて、私も初めて聞いたのですが、「御主人はそんなに毎日本を読んでいるの?」と聞くと、「もうそれは好きで暇さえあれば読んでいます」と言われました。「そうですか。そうしたらその中で面白そうな本を選んでお供えしてあげて下さい」と言ったのですが、あの世へ行っても、面白いのなら読んでみたいと言う事は、五感が無くなっても欲は残っているのです。これは何を表しているかと言うと、この世で肉体を焼いて、御葬式をしてしまっても終わりではなく、魂は生き続けているのです。この世とあの世は繋がっていて、あの世から持って来た因縁とこの世で今犯している罪や汚れはプラスになってあの世へ持って帰るのです。それが悪因縁となるので、病気や交通事故などで一生懸命知らせようとしているのが霊界からのメッセージなのです。もちろん病気や事故が全てお知らせと言う訳ではありません。病院でも原因が分からない様な病気などが、霊界からのメッセージなのです。それを素直に受け止めて正しく対処していけば、回避する事が出来ます。よく言われる様に死んだらお終いではない事が、これらの実例でよく判ると思います。

合掌